与那原町立綱曳資料館


与那原町の文化財/阿知利世主 阿知利ガー


阿知利世主は、阿知利毛あちりもぉ(現在の阿知利団地付近)に居を構えた実力者で、そうぬまし一族の協力者であったと思われる。

与那原最大の門中、上原一門の祖先が、国頭行のため与那原を通りかかった際、阿知利世主の知遇を受け、長男を養子に懇望されるとともに、当地に居住するように勧められそのまま留まり、村建てに尽力したといわれ、上原門中が崇拝している。

与那原町の史跡(1995)より


阿知利世主は、綱曳では東方あがりかたの中心であり、東の綱行列はここから出発する。

また、綱曳関連祭祀であるアブシバレー(旧4月15日)、五月ウマチー(旧5月15日)、六月ウマチー(旧6月15日)、アミシの御願(旧6月26日)に巡拝される。

与那原大綱曳(2005)より


新島 新里嘉眞(明治36年9月10日生、昭和63年3月14日聴取)

与那原を始めた阿知利世主が、こっちで屋敷を求めてね、この井戸を掘ったそうだ。阿知利ガーといって、昔は、こっちから飲み水をやったり、使い水をやったりした井戸だよ。ここは、部落の人は飲まないよ。

よなばるの民話(1990)より