綱の受け渡し式

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平成29年8月27日(日)、この日は午後1時から東西の綱武士とPTA役員による与那原東小学校の大綱の修繕と綱の顔ともいえるカナチ部分の巻き直しを行っていた。そこに現れたのが一般社団法人読谷村観光協会企画委員長理事の比嘉徹さんと女性の方であった。「何かの取材かな?」と思いながらも作業を進めていると、綱武士の親分達に呼ばれた。

話しに加わると比嘉さんがみんなに向かい説明をした。「以前、読谷でも各字で綱曳をしていたが、だんだん廃れてしまい現在ではどこもやっていない。その綱曳を復活させ、毎年開催している高志保大通りでのエイサーまつりの1つのプログラムとして開催したい」という趣旨の内容であった。そこで綱曳で町を盛り上げている与那原に、綱のレンタルの交渉にいらしたようだ。また、比嘉さんと綱武士の東の座波さんが仕事や商工会等で顔馴染みだったのも与那原に声をかけた要因でもある事も後で聞いた。

さて、比嘉さんの話しを聞いた綱武士たちは頭を悩ませた。計画されているまつりは9月6日で準備期間がほとんどない。現在、作業中の綱は与那原東小学校の運動会で使用するためレンタルはできない。綱曳倉庫に「ウマチー綱」もあるがこの綱もウマチーで現在使用している綱であり、綱曳実行委員会や各部門の許可が必要なため容易ではない。

そこで「白羽の矢」が立ったのが与那原小学校の綱だ。以前、与那原小学校でも運動会の集団演舞で「与那原大綱曳」を再現していたが、ここ数年行われていない。綱は体育館に置かれたままだ。早速、綱武士達は綱の確認のため与那原小学校に向かった。思っていたよりも綱の保存状態は良く、少し修繕すれば使用可能であると判断した綱武士達は学校長の許可をとり、綱を綱曳倉庫に運んだ。

この日は西の「祝勝バーベキュー大会」が綱曳倉庫で行われることもあり、多くの綱武士達が倉庫に集まっていた。そこに東小学校の作業を終えたメンバーも加わり、全員で綱の修繕・手綱てぃーんなの取り付けを行い、わずか1時間足らずで綱の修繕が終了した。綱武士の心意気と綱に対する愛情はすごいと感じる光景であった。

平成29年9月2日(土)午前10頃、読谷村観光協会、読谷村公民館連絡協議会、有志のみなさまが与那原町綱曳倉庫を訪れ、そこで綱の引渡し式が行われた。本町からは与那原大綱曳の統括顧問でもあります具志堅毅さんがあいさつをし、読谷村からは読谷村観光協会 副会長 知花昌彦様、読谷村公民館連絡協議会 会長 知花安友様、お二人のあいさつを頂き、無事、綱の引渡し式は終了した。

あいさつの中でも触れていたが「今後、読谷村の観光協会としては3年かけて綱作りや綱曳のやり方を与那原町から指導、協力を仰ぎ、3年後の2020年には「第1回よみたん大綱曳まつり」(仮称)とし、メイドイン読谷の綱を引く計画があるようだ!!