与那原町立綱曳資料館


資料館概要


与那原大綱曳資料館の基本的方針と活動方針について


(1)設置目的

本町の教育・学術及び文化の継承・発展に寄与するため、大綱曳資料館を設置します。

(2)基本的方針

与那原大綱曳は、那覇・糸満と共にいわゆる「沖縄三大綱引」のうちの1つに数えられています。「綱引」は沖縄県内各地で広範に分布している習俗の1つで、それぞれの地域的特色をもって行われており、地域の人々を結集するうえで大切な役割を果たしています。しかし、近代からの産業構造や生活様式の変化とともに、人々の価値観も多様化し、各地の綱引もそれぞれ変容し、ところによっては継続が困難となり途絶えたものも少なくない中、与那原大綱曳は時代に伴って変容しながらも、現代へと受け継がれているのが特徴と言えます。

当資料館では、与那原大綱曳を次の世代に受け継いでいくため、与那原大綱曳や、与那原大綱曳を育んだ町の歴史に関する資料の収集・調査を行うことをメインとしますが、その特徴を知る上で欠かすことのできない町内外の綱引に関する資料も収集・調査します。与那原と、他地域との綱引を比較することで、より与那原大綱曳とは何か、綱引とは何かを理解する事が可能となります。これらの資料や調査で得られた成果を、展示会や講座など通して、与那原大綱曳や、町の歴史への理解を深め、次の世代へつなげていくことを目指します。

(3)活動方針 4本の柱

  1. 集める・保管する(資料の収集・保存・管理に関すること)

    与那原大綱曳をはじめ、綱引に関するモノや、与那原の歴史や文化がわかる昔のモノを集めます。集めるモノは、写真や本、道具などの実物のモノだけではなく、情報もモノとして記録して集め、それぞれの資料に適した保存方法で保存・管理します。

  2. 調べる(資料の調査研究に関すること)

    モノは人との関係の中で形作られています。それらを通して昔の暮らしの様子を見ることができます。そのためには集めたモノの年代やどのようにして使われたかを調べる必要あります。調べる方法には、歴史的な記録や現在受け継がれているモノや事を調べます。

  3. 伝える・育む(資料及び情報の公開及び提供に関すること)

    集められたモノや、調べたモノの公開(展示・文化講座等)を通して、与那原町の歴史や文化を知り、「与那原らしさ」を知ることができるようにします。知る・学ぶ方法には、資料館で展示されたモノを見ることや、資料館で集めた本や映像などを見ること、情報などを講座や資料館の人に聞く、資料館内外で綱曳に関連する事を体験できる場を提供します。

  4. つながる(歴史及び文化の継承と創造に関すること)

    綱引きを通じて、人と人をつなぐ場としての役割を担うと供に、次の世代に与那原町の歴史をつなぐ場としての役割を果たしていきます。また、学校や町内の各施設と連携して、住民のニーズに応じた学習機会の提供や支援などを行います。綱引や歴史を通して、人と人、そして世代をつなげていくことから、「つながるミュージアム」を目指します。


与那原大綱曳資料館
(2022年4月2日、社会福祉センター2階へ移転)


2022年与那原大綱曳
(2022年10月30日)


資料館に搬入された大綱
(2022年11月4日)

曳・引・挽

“つなひき”の表記には綱曳、綱引、綱挽の3通りがあります。

与那原の“つなひき”は慣例として戦前から綱曳が用いられており、本文中に同じ、当資料館は“与那原大綱曳”で表記を統一しています。